近年、手軽にお小遣いが稼げることで人気を集めている「パパ活」ですが、パパ活にまつわるトラブルも多発しています。
中には、パパ活が原因となって逮捕されたケースも。
本来パパ活は援助交際とは違うため犯罪ではありませんが、相手の女性が未成年だった場合、罪に問われる可能性があります。
そこで今回は、パパ活が原因で逮捕されるケースとパパ活で逮捕された犯罪事件の実例、トラブルに巻き込まれないようにするための対策法などをご紹介します。
パパ活が原因で逮捕されるケースとは?
パパ活をしていて、女性側が逮捕されるというのはあまり見かけませんが、パパ側が逮捕された事例はいくつもあります。
まずは、パパ活で逮捕されるケースにはどのようなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。
女性側が18歳未満だった場合
パパ活で逮捕に繋がるケースとして多いのが、相手の女性が18歳未満(未成年)だった場合です。
パパ活を行っている女性が18歳未満の場合、未成年誘拐罪や児童買春、青少年健全育成条例違反などにあたるので、犯罪が成立します。
- 未成年誘拐罪:3ヵ月以上7年以下の懲役刑
- 児童買春:5年以下の懲役または、300万円以下の罰金
- 児童ポルノ禁止法違反:5年以下の懲役または、300万円以下の罰金
- 児童福祉法違反:10年以下の懲役または、300万円以下の罰金
犯罪と見なされた場合には、これらの刑が科せられることになります。
また、合意の上であったとしても、未成年との性行為や、それに値する行為を行った場合は、児童福祉法違反にあたり、10年以下の懲役または、300万円以下の罰金、もしくはその両方に処される可能性があるので処罰が重くなります。
では、相手の女性が未成年だと知らなかった場合はどうなるのでしょうか?
相手が未成年だと知らなかった場合は?
もしも相手女性が年齢を偽るなどして、18歳未満であることを知らずにパパ活をしていた場合は、罪に問われる可能性は低くなります。
ただし、相手が年齢を偽っていても、身に付けているものや身分証、会話の内容などから18歳未満であることを推測できた場合には、処罰を受ける可能性があるので注意が必要です。
強引に性行為やわいせつ行為を行った場合
次に逮捕されるケースとして多いのが、パパ側が強引に性行為やわいせつ行為を行った場合です。
この場合は、相手女性が18歳以上であっても犯罪にあたります。
本人の合意なしに性行為やわいせつ行為を行った場合は、
- 強制わいせつ罪:6ヵ月以上10位以下の懲役
- 強制性交等罪:5年以上の有期懲役
- 迷惑防止条例違反:6ヵ月以下の懲役または50万円以下の罰金
などの犯罪が成立するので、逮捕され、なんらかの処罰が科せられます。
相手女性に対して暴力行為を行った場合
また、相手女性に対して暴力行為を働いた場合も、当然犯罪にあたるので逮捕されます。
なんらかのトラブルで相手女性に暴力をふるってしまった場合、
- 傷害罪:15年以下の懲役または、50万円以下の罰金
- 暴行罪:2年以下の懲役または、30万円以下の罰金
などの犯罪が成立し、懲役刑や罰金といった処罰が科せられます。
パパ活女性が逮捕されるケースも?
また、パパ活を行っている女性側が逮捕されるケースも少ないですが、実際にはあります。
パパ活における犯罪というと、被害を受けるのは女性ばかりのようにも見えますが、女性側が加害者となり得ることも十分あり得るのです。
では女性側が罪に問われるのは、どんな場合なのでしょうか?
続いて、女性が罪に問われる可能性のある行為を見ていきましょう。
女性が罪に問われる可能性がある行為とは
- 相手の金品を盗む、騙し取る
- 示談金目当てで金品を騙し取る
- 相手男性への恐喝行為
など。これらの行為は窃盗罪や詐欺罪などにあたるので、重い懲役刑や罰金が科せられる可能性があります。
中でももっとも多いのは、男性(パパ)がシャワーを浴びている隙に財布から金品を盗む行為や、ホテルから出てきたタイミングで交際相手を装った男性とはちあわせて、示談金などの名目でお金を騙し取る「美人局(つつもたせ)」行為などです。
パパ活では女性だけでなく、男性側も被害者になる可能性があることを十分に理解しておきましょう。
パパ活で、もしも逮捕されたどうなるの?
もし、なんらかのトラブルが起きて、犯罪行為を働いてしまった場合、警察に見つかれば当然逮捕されます。
逮捕された場合、警察署内にある留置所から出ることを禁止され、外部との連絡も取れなくなります。
パパが会社役員や経営者などであれば、会社に迷惑をかけるだけでなく、自身の信用も失墜することになるでしょう。
今後の社会生活に深刻な悪影響を及ぼすことは言うまでもありません。
また、既婚者であれば、パパ活をしていたことが家庭にもバレてしまいます。
離婚や慰謝料問題なども出てくるので、地位や信用だけなく家庭まで失いかねません。
パパ活ではそういったリスクもあることをしっかり理解した上で、相手女性との交際は慎重に行うべきでしょう。
パパ活が原因となって起きた犯罪事件の実例
続いて、パパ活が原因となって逮捕まで至った、犯罪事件の実例をご紹介します。
■茨木女子大生殺人事件
パパ活で起きた殺人事件の一つ。2018年11月20日、東京葛飾区に住む日本薬科大学生の菊池捺美さん(当時18歳)が、行方不明となり、その後2019年1月31日に土の中から遺体となって発見されました。容疑者は廣瀬晃一(当時35歳)。二人はオンラインゲーム上で出会い、30万円を対価としていわゆる“パパ活”を行っていました。この際になんらかの金銭トラブルが生じ、結果的に殺人事件へと発展してしまった事例です。
■男女高校生6人によるパパ活狩り事件
こちらは、パパ側が被害者となったケースです。パパ活に応じた男性(30歳)から車などを奪ったとして、警視庁が川崎市内の17~19歳の少年5人と女子高生(16歳)の計6人を強盗容疑で逮捕しました。少年らは「パパ活狩り」と称して、現金を騙し取ろうと画策していたようです。
これら2つの事件はほんの一例なので、パパ活が原因となって起こった事件は他にもたくさんあります。
トラブルに巻き込まれて被害に遭う危険性は十分にあるので、身を守る術をしっかりと身に付けておきましょう。
パパ活で犯罪やトラブルに繋がる原因と対策法
続いて、パパ活で犯罪やトラブルに繋がる原因と、対策法をご紹介します。
パパ活アプリではなくオンラインゲームやSNSでの出会い
先ほどの、茨木女子大生殺人事件を見ても分かるように、オンラインゲームやSNSを使ったパパ活は、トラブルに繋がりやすいため注意が必要です。
特にオンラインゲームやTwitterなどのSNSは、パパ活アプリと違って誰でも無料で利用できるので、どんな男性が登録しているか分かりません。
身分証や収入証明などの提示も必要ないので、そもそも本人でない可能性もあります。
専用アプリと比べてセキュリティや安全対策も不十分なので、危険人物と遭遇するリスクが高くなります。
手軽に使えて、誰とでも気軽に出会える点はSNSならではのメリットですが、パパ活で
利用するのはおすすめできないので、必ず専用のパパ活アプリや交際クラブなどを利用しましょう。
金銭トラブルを自力で解決しようとする
金銭トラブルを自力で解決しようとするのも危険です。
パパ活の中でも特に多い金銭トラブルといえば、
- やり逃げ
- 約束した金額よりも少ない
- お手当以上の関係を要求された
などなど。悪質な場合は、一人で解決しようとせず、警察に相談しましょう。
また、こういった金銭トラブルに発展しないようにするためには、
・お手当の金額やデート内容などの条件面をパパとしっかり擦り合わせておく
・お手当は絶対に前払いで貰う
などの対策が必須です。
初めからパパの自宅や車などの密室で会う
また、初めからパパの自宅や車といった密室で会うのも、非常に危険な行為なのでNGです。
相手が危険人物であれば、そのまま監禁・誘拐されてしまう可能性もありますし、パパの自宅に盗撮用のカメラなどが仕掛けられている可能性だってあります。
パパ活では盗撮被害も後を絶たないので、パパの自宅や車では絶対に会わないようにしましょう。
まとめ
今回は、パパ活で逮捕されるケースと実際に起きた犯罪事件の実例、トラブルに巻き込まれないようにするための対策法などをご紹介しました。
パパ活が原因となって逮捕にまで至った事件はたくさんあるので、パパ活を行う女性側もパパとなる男性側も、行動や言動には十分に注意が必要です。
万一逮捕されて犯罪者となってしまったら、今後の社会生活にも大きな影響を与えてしまいます。一歩間違えば、被害者になる可能性も、加害者になる可能性もあるということをしっかりと理解した上で、パパ活を行いましょう。